※本記事は2021年4月14日にnoteに投稿した同名の記事を再編集したものです
みなさん、先日の桜花賞見ました?メイケイエールが勝ったらウマ娘化するかもみたいな話出てましたけど…あれは…カノープスですね…間違いなく…
ところで、もしソダシがウマ娘化するとして、白毛と芦毛ってどう区別するんでしょうね?見出しのオグリちゃんでもすごい白いですけど…
ということで今回は芦毛特集(?)です。
頂上決戦と称されたあの戦いを見ていきます。
(シンデレラグレイ読んでる方はネタバレ注意です)
漫画『ウマ娘 シンデレラグレイ』1〜2巻、4〜8巻
↓前回
前回までのあらすじ
- 1987年タマモクロス、衝撃の全国デビュー
12月に阪神競馬場で行われたGII鳴尾記念にて、タマモクロスは後続を6馬身引き離してゴール。重賞初挑戦で衝撃的な走りを見せた。
- 1987年笠松の怪物、連戦連勝で中央移籍
笠松でデビューしたその馬は8連勝12連続連対で中央へ移籍するという。地方で常勝無敗から3歳で中央へ移籍という流れは往年のハイセイコーを彷彿とさせるが…?
- 1988年サクラ軍団、悲願のダービー
“怪物”不在で行われた第55回東京優駿。先んじて抜け出したメジロアルダンの猛攻を振り払い、サクラチヨノオーが根性で差し返しゴールイン。父マルゼンスキーが果たせなかったダービー制覇を果たした。
- 1988年新人騎手武豊、早くもGI制覇
87年にデビューし、88年4月に史上最年少の通算100勝を記録した武豊騎手が、スーパークリークでGI・菊花賞を制覇。新人騎手ながら年間100勝を挙げるなど、驚異的な成績を残した。
「芦毛の馬は走らない」というジンクスがあった。鹿毛、栗毛、黒鹿毛に比べ絶対数が少なかった芦毛。確かに芦毛のダービー馬は1頭しかおらず、大成しない芦毛馬も多かった。
しかし、そんなものは所詮統計。例外はあっという間に常識となる。
日本競馬の歴史は、ジンクスの打破と共にあった。
駆ける稲妻
京都金杯を快勝し、一躍スターダムにのし上がったタマモクロス。こうなったら見据えるのは春のGI、天皇賞である。(大阪杯はGIIだったからね)
その前哨戦として阪神大賞典に出走。
タマモとしては初の3000mだったが、去年の地獄大波乱有馬記念を制したメジロデュレンを抑えての1.7倍、一番人気。
レースはハイパースローペースからの直線勝負となり、タマモは馬群の中で詰まってしまう。(ウマ娘でもよくある光景)
しかし、垂れるものかと間になんとかねじ込み、先頭3頭が同時にゴールイン。
結果はダイナカーペンターと同着1位。数年に一度あるかないかの同着勝利となった。
天皇賞(春)
春の盾には魔物が潜む。
菊花賞、有馬記念と大波乱を巻き起こしたメジロデュレンが不気味に勝利を狙う。ゴールドシチー、メリーナイス、善戦マンのスダホークらも侮れない。
しかし、そんなものは彼の敵ではなかった。
後方からじわじわ進出し、直線では空いた内側に進路を取ってするりと抜け出す。危なげのない伸び。
3馬身突き放し快勝。直行でグランプリへ。
宝塚記念
ここで久々にタマモクロスは2番人気となる。
前走・安田記念を制し、名実共にマイルの帝王となったニッポーテイオーがいたからだ。この宝塚が引退レースだった。
マイラーとはいえ秋の天皇賞で勝利しているニッポー。昨年惜しくも2着だったこともあり、2度目の宝塚。引退レースで華々しい勝利が期待されていた。
だが、結末は残酷だった。
並ばない。すっと抜けた白い稲妻。
隣で必死に追っている郷原騎手とニッポーテイオーを嘲笑うかのように、あっさりと抜き去っていった。
現役最強古馬を打ち倒して、早くもGI2勝目。
世代交代の足音がターフを揺らす。
若き怪物と裏街道
宝塚を制した馬が行く先は、もちろん天皇賞(秋)だ。
秋の決戦。そこに立ちはだかったのは、もう一頭の最強の芦毛馬だった。
クラシックの裏で積み上げた伝説が、彼の評価を決定付けた。
芦毛の怪物
オグリキャップ
表彰 | JRA顕彰馬 |
---|---|
世代 | 1988 |
血統 | 父 ダンシングキャップ(ネイティヴダンサー系) 母父 シルバーシャーク(マンノウォー系) 5代母 クインナルビー(天皇賞) 半妹 オグリローマン(桜花賞) |
成績 | 32戦22勝[22-6-1-3] |
主な勝ち鞍 | 有馬記念2勝 マイルCS 安田記念 毎日王冠連覇 高松宮杯 NZT オールカマー(GIII) 毎日杯 ペガサスS 京都4歳特別 |
主な産駒 | フルミネート(荒尾・サラ系3歳優駿) オグリワン(小倉2歳S2着) |
主な子孫 | ラインミーティア(アイビスサマーダッシュ) |
主な記録 | JRA重賞勝利数最多タイ(12勝) |
(こんな凛々しい顔しといて常時メシのこと考えてます)
オグリキャップ。彼こそ日本の競馬界の常識を変える稀代のスーパースターである。
彼の故郷は笠松競馬場。岐阜のド田舎にある地方競馬場だった。
東京や阪神、京都などで行われる中央競馬と異なり、地方競馬は地方自治体によって運営されており、そもそもシステムが全然違うし、レベルも違う。
東京大賞典や帝王賞が開催される大井(東京)や川崎記念の川崎(神奈川)、かしわ記念の船橋(千葉)あたりの関東競馬場は地方競馬のメインストリームでレベルがかなり高いが、上記のような有名重賞が無い競馬場は集客すら危うい所もあった。
笠松はどちらかというとそっち側。当時は地方競馬も運営していた中京競馬場との格差が激しかった。
詳しくはシンデレラグレイを読んで欲しいが、元はオグリの馬主の小栗さんも中京の東海ダービー制覇を目指していた。そんな中オグリは笠松競馬場にて連戦連勝を重ねた。
オグリはそこまで良くない血統の馬だったはずなのだが、隔世遺伝でネイティブダンサー(22戦21勝の世紀の大種牡馬。オグリの祖父)の血が覚醒したのか、あるいは母ホワイトナルビー(牝馬で天皇賞を制したクインナルビーの子孫)が良かったのか、脅威の身体能力を発揮。
当時東海ダービーを目指せる馬と言われたマーチトウショウ(シングレ次元のフジマサマーチ)と互角以上の戦いを繰り広げるとともに、マーチがいないレースでは確実に1着。成長とともに更に強さを増していき、次第に敵無しに。
余りにも強すぎるのでなんだかんだで中央競馬へ移籍することになる。
これだけ素質のある馬が地方で走ることは今ではほとんどない。
オグリの脚が誕生時は大きく外に曲がっていたのを生産牧場長が懸命な努力で治したこと、超小規模な育成牧場にて騎乗馴致(競走馬としての育成)をしたこと、育成牧場長がオグリを気にかけていたことなどが幸いし、“見つからずに”無事に育ってここまで来た。
しかし笠松で見つかってしまったため、中央に転入することになった。この時、馬主の権利も小栗さんから別の人に譲渡されている。
ペガサスS
オグリの実力は未知数だった。
中央競馬のレベルが向上してからというもの、地方競馬から中央に移籍した馬でGI級のタイトルを勝った馬はほとんどいない。第1次競馬ブームを席巻した皐月賞馬ハイセイコー、有馬記念勝ち馬ヒカリデュールくらいだ。
しかも両方大井競馬出身。地方競馬最高峰の大井から2頭しか出ていない。
それ以外にも勝った馬はいたが、どれも60年代の馬。 オグリの時代とはタイムが5秒は違ってくる。当時とは馬場もレベルも全然違う。
大井でさえその程度なのに、笠松から大スターが出る事など誰も期待していなかったのである。
中央移籍時のオグリの戦績は12戦10勝。初戦で負けてもおかしくなかった。おかしくなかったのだが…
予想以上にオグリは強かった。初戦のペガサスSを圧勝してしまう。鞍上の河内騎手は手綱をほとんど動かしていない。圧倒的だ。
これは皐月賞も狙えると思われたが、オグリキャップの三冠を阻んだのは「規則の壁」だった。
大井競馬から電撃移籍で皐月賞を制したハイセイコーは、実はデビュー前から中央移籍を計画していて、その頃から三冠競走の予備登録を済ませていた。
それに対してオグリは元より東海ダービーを目指していた。もちろん中央のクラシック競走の登録などしていない。当時は前年の内に出走登録をしておかないとクラシックには出られなかった。オグリには三冠を走る権利が無かったのだ。
故に彼は“裏街道”を歩むことになった。
毎日杯
ペガサスSの次にオグリが出たのは毎日杯。
当日は雨上がりの重馬場。タフなレースが予想されたが…
最後方から追い込んで勝利。それも出走馬の中で1番外を回りながら、直線で1番伸びている。脚質どうこうより能力値の違いで勝ったレースだ。
ここで4着に敗れたのが皐月賞馬、ヤエノムテキだった。後にヤエノは良馬場でもオグリに敗れているため、「オグリが出ていれば…」と言われ、過小評価されている節がある。
これはサクラチヨノオーとメジロアルダンも同じ。チヨノオーは脚部不安が治らず復帰後即引退しているため正確な強さは測れないが、恐らくダービーもオグリが制していただろう。
ニュージーランドトロフィー
彼らの熱戦の裏で、オグリは連勝を重ねた。笠松時代から怒濤の13連勝17連続連対。GII2つでレースレコードを叩き出した。
ダービーの数週間後にこれを見せ付けられたらたまったもんじゃない。2着馬は後にGIIを勝利しており、GIスプリンターズSでバンブーメモリーの3着と好走したリンドホシだ。それ相手にこれ。もう次元が違う。
毎日王冠
次走の高松宮杯(2000mGII)も古馬相手に快勝し、休養の後に挑んだ18戦目が毎日王冠。#2.5で取り上げた、シリウスシンボリ回し蹴り事件の現場である。
強豪レジェンドテイオーが除外となったものの、ダービー馬シリウスシンボリ、昨年の毎日王冠を制したダイナアクトレスが相手だった。
しかし圧勝。シリウスに詰め寄られた分だけ突き放した。古馬相手に真の無敵っぷりを発揮する。
クラシック戦線が終わり、ようやくGIに出走できるオグリ。(当時はNHKマイルとか無かった)クリークが菊花賞を取ったのを横目に、王者タマモクロスに挑む。
芦毛頂上決戦・天皇賞(秋)
ダイナアクトレス&シリウスシンボリ+復帰したレジェンドテイオー&マティリアルという豪華な布陣。しかし、世間の目はそこには向かなかった。
かたや連戦連勝春二冠。かたや地方から殴り込みでここまで中央無敗。最強と最強の、それも「走らない」と揶揄されていた芦毛と芦毛の頂上決戦。
タマモか、オグリか。
そんな期待を孕み、第88回天皇賞(秋)は開かれた。
例のごとくレジェンドさんが逃げを打つのを見越して、南井はタマモを離れた二番手に付けさせた。
現役時代のタマモの食の細さはとんでもなく、スタッフは仕上げにかなり苦労していた。が、この日のタマモは絶好調だった。
鞍上もそれを理解し、絶対に抜かされないだろうと自信を持って、マイペースで2番手に付けたのだ。
対して、中団からタマモを追いかける形となったオグリ。
最後のコーナーを回った時にはもう勝負は決まっていたのかもしれない。
伏兵は誰もいない。王者と王者の壮絶なせめぎ合い。ならば勝敗を分けるのは戦略だ。
これがタマモの強さ。どこからでもレースを展開できる自在性。
沈むように、潜るように差し込んだオグリキャップ。それでも白い稲妻には届かない。一馬身ちょっとの着差。しかし、その差はあまりにも大きいものだった。
オグリの連勝は13でストップ。対するタマモは8連勝目。そして、これは史上初の天皇賞春秋連覇達成の瞬間となった。
ジャパンカップ
オグリ陣営はタマモにリベンジすべく、ジャパンカップに出走を決意。
3歳馬でJCを制した日本馬は今までいなかったが、オグリはタマモに次ぐ3番人気だった。
3番人気?そう。
このレースには世界最強クラスの馬が出走していたのだ。
イタリアの至宝
Tony Bin
所属 | 🇮🇹イタリア |
---|---|
世代 | 1986 |
血統 | 父 カンパラ(ゼダーン系) 母父 ホーンビーム(ハイペリオン系) |
成績 | 27戦15勝[15-5-4-3] |
主な勝ち鞍 | 🇮🇹ミラノ大賞連覇 🇮🇹共和国大統領賞連覇 🇫🇷凱旋門賞 🇮🇹ジョッキークラブ大賞 |
主な産駒 | エアグルーヴ(天皇賞秋) ジャングルポケット(日本ダービー) ノースフライト(春秋マイル) ベガ(牝馬二冠) ウイニングチケット(日本ダービー) サクラチトセオー(天皇賞秋) テレグノシス(NHKマイル) オフサイドトラップ(天皇賞秋) レディパステル(オークス) |
母父としての産駒 | ハーツクライ(有馬記念) アドマイヤグルーヴ(エリ女連覇) アドマイヤベガ(日本ダービー) アドマイヤドン(JBCクラシック3連覇) トランセンド(春秋ダート) カレンチャン(春秋スプリント) ルーラーシップ(🇭🇰QE2世C) アーネストリー(宝塚記念) アップトゥデイト(春秋障害JGI連覇) サトノノブレス(日経新春杯) シルヴァーソニック(🇸🇦レッドシーターフH) |
主な子孫 | イクイノックス(有馬記念) リスグラシュー(〃) エフフォーリア(〃) ジャスタウェイ(🇦🇪ドバイDF) ドゥラメンテ(日本ダービー) ドウデュース(〃) スワーヴリチャード(JC) シュヴァルグラン(〃) キセキ(菊花賞) ハープスター(桜花賞) サリオス(朝日杯) トーセンジョーダン(天皇賞秋) ビートブラック(天皇賞春) ジュンライトボルト(チャンピオンズC) ニホンピロアワーズ(〃) 🇺🇸ヨシダ(🇺🇸ウッドワードS) |
このレースの1番人気は凱旋門賞馬のトニービン。
既にGI6勝の怪物。欧州の重賞を総なめにしている強豪だけあって、日本勢は「どちらが2着につくか」が注目された。
(ちなみにシンデレラグレイではトニビアンカとして登場している。分かりやすい名前)
しかし、競馬に絶対は無かった。
トニービンは伸びない。そこをタマモが抜けていくが、伏兵ペイザバトラーが伸びる。タマモは差し返せず2着。オグリはまたしてもタマモに勝てず3着だった。
(シンデレラグレイでもこのレースは完全再現されている。ペイザバトラーはオベイユアマスターとして登場。コミックの表紙にもなってる)
世紀の伏兵、ペイザバトラー。
好走の要因は今までの凡走の要因。
単純に、欧州の深くて足を取られる馬場ではなく、日本の軽くてスピードが出る馬場が馬に合っていたのだろう。
様子のおかしかったトニービンはというと、最後の直線で骨折していた。骨折して5着は化け物。
競走馬を引退することになり、ここを社台グループがすかさず購入。日本で種牡馬入りさせることになる。
これが功を奏し、トニービンはウイニングチケットやエアグルーヴを産む大種牡馬となる。孫世代はトーセンジョーダンやカレンチャン、アドマイヤベガ、ハーツクライ、曾孫世代まで行くとキタサンブラックの最大の敵であったドゥラメンテなどがおり、変な話、彼が骨折していなければ生まれなかったドラマが沢山ある。
凱旋門賞馬としては悲しい結末となったが、日本としては有難いジャパンCとなった。
弾丸シュート
さて、一方その頃サッカーボーイは…
函館競馬場にて芝2000mの日本レコードを叩き出していた。
????????
正確にはジャパンCより少し前。
夏のローカルGIIIでのこと。
函館記念
クラシック戦線を離脱し、前走でヤエノムテキをボコボコにしていたサッカーボーイ。(名前に反して敵が多すぎる)
GIの予行練習のためか、やや格の高めな重賞である函館記念に出る事にした。
ダービー馬メリーナイスとシリウスシンボリ、牝馬二冠のマックスビューティらが一堂に会するという、とてもGIIIとは思えない熱いラインナップ。その中でも1番人気。
そしてサッカーボーイは驚愕の走りを見せた。
新馬戦か何かですか?
とても後ろでヒィヒィ言ってるのがダービー馬とオークス馬とは思えない圧勝。1:57.8。日本レコードでの勝利。
なお、函館競馬場のコースレコードは33年経った今でも破られていない。1:57.8はそれほどまでに速いのである。
芝2000mの日本レコードは1997年まで破られなかった。破ったゼネラリストは金鯱賞勝ち馬だが、レコードの要因はスピードが出すぎる馬場の環境が後押ししたことも大きかった。
金鯱賞といえばサイレンススズカの爆速レコード勝利が印象的だが、そのレースですら走破タイムは1:57.8。サッカーの函館記念は88年。スズカの金鯱賞は98年。10年先を行く強さだったのかもしれない。
さらに加えて言うと、2020年の秋天の1着、アーモンドアイのタイムが1:57:8ちょうどなのである。こじつけるとワンチャンGI9勝馬と張り合えるポテンシャルを秘めていたということになる。
(ちなみに現2000m日本レコードはトーセンジョーダンの1:56.1。サンキュートニービン。)
マイルチャンピオンシップ
これのおかげでサッカーボーイは急に伝説になった。
菊花賞は捻挫で回避したものの、年内のGIには間に合った。
第4回マイルチャンピオンシップ。
もちろん強い馬が大勢参戦していたのだが、サッカーボーイには相手にすらされなかった。
楽々ちぎって4馬身差。
弾丸シュート。名前になぞらえて付けられたその異名すらチープに感じてしまうほどに、彼の末脚は爆発的だった。
勢いはそのままに、向かうは年末のグランプリ。
芦毛頂上決戦最終章・有馬記念
なんとタマモクロスはこの一戦で引退を表明した。
早くね?と思うが彼はもう4歳。ただでさえ食が細く体質も強くないタマモ。これ以上使うとどこかでガタが来る。陣営はそう思ったのだろう。
実際、この有馬も体調は悪かった。
恐らく連戦の疲れが溜まっていたのだろう。陣営の懸命な努力でなんとか出走できるところまで持っていけたものの、決して良いとは言えない状態だった。
対してオグリは馬主の意向により、ニホンピロウイナーやメジロラモーヌの騎手だった河内洋氏から、シンボリルドルフの岡部幸雄氏に乗り替わり。
有馬を勝った騎手のアドバンテージは強い。
それでもタマモは1番人気。
果たして期待に応えられるのか。
天皇賞に続きグランプリ制覇を狙うタマモクロス。
19連対を記録したオグリキャップ。
伝説となった栗毛の弾丸サッカーボーイ。
菊花賞馬スーパークリーク。
昨年の有馬記念勝ち馬メジロデュレン。
安田記念でニッポーを破ったフレッシュボイス。
宝塚記念勝ち馬スズパレード。
そしてレジェンドテイオー、マティリアルなど、ファン投票で選ばれるだけあって実に“らしい”超豪華メンバーとなった有馬記念。
芦毛頂上決戦、最終章。
その幕が切って落とされ…る直前にサッカーボーイはゲートで暴れて出血した。そして出遅れた。
オグリはゲート入りで武者震いをした。これは絶好調の合図だ。
それを裏付けるように、天皇賞とは打って変わってオグリが中団、タマモが後方からレースを進めた。
馬群の中から突き抜けるオグリと、大外から飛んできたタマモ。
オグリか、タマモか。オグリか、タマモか。
息もつかせぬデットヒートの最後の最後で、オグリが勝利。最後まで強い走りを見せたタマモクロス。天皇賞と真逆の結末。
1勝1敗1分。芦毛頂上決戦はここに完結した。
スーパークリークは3位に入線したものの斜行したとして失格、3着はサッカーボーイとなった。
斜行したとはいえクリークの強さが証明される事になった一戦。以降、オグリとクリークは最大の好敵手となる。
サッカーボーイはゲートで暴れてなければ1着も有り得ただけに悲しい結末。
しかも年明けに脚をやってしまいそのまま引退。3歳であれだけ強かったんだからこれからはもっと伸びるはずだった。悔やまれる。
タマモクロスという最強の一角が消え、とどめを刺したオグリキャップは一気に現役最強に。
地方の笠松で生まれた非主流血統の見栄えのしない外見をした芦毛馬が、人に恵まれながらも実力でのし上がり、中央の頂点に立つ。
成る程、これ以上無いほどに良くできたシンデレラストーリーだ。
あの漫画のタイトルはここから来たのだろう。
ここからオグリは芦毛の怪物の名を轟かせ、芦毛無双が始まるかと思われた。
そう簡単にはいかないのが現実である。
名馬が名馬たる条件。
それは絶対的なライバルがいること。
地方の怪物に立ち向かうのは、もう一頭の地方の怪物だった。
時は進んで平成へ。
新たなる「三強」の戦いが始まる。
あとがき
シンデレラグレイ4巻とかでやる内容まで来ちゃいました。次回完結です。
このシリーズ、シービーからコントレイルまでだいたい#26くらいでいけるかなって思ってたんですけど、もう既に計算が狂い始めてます。やべえよ…
個人的に一番好きなジェンティルドンナ〜キタサン期に早く行きたいんですけど、その頃にはもう#30超えてそうで鬱だ…(余裕で超えました)
失踪はしませんので温かい目で応援お願いします。
では、また次回〜。
コメント
面白かったです!
ペイザバトラーさん、日本で種牡馬入りしたけど初年度産駒43頭だけ残して早逝しちゃうんですよね…
しかも重賞馬一頭出してるのでもしかしたら種牡馬として成功した可能性もあったのかなと思うと何とも言えない気持ちになりますよね…
ありがとうございます!
直系が残ったかは別として、孫世代が活躍した可能性は十分に考えられますね。
いい馬ほど早世するのは悲しいです